わかったブログの記事をピックアップしてまとめた電子書籍が、予想以上に売れています。
人気ブログの作り方はKindle総合ランキングで2位、コンピューター・IT(紙の書籍と合わせて)で1位。ブログ起業はコンピューター・ITで、2位まで上昇しました。
ブログ記事を編集した書籍ですので、内容はブログで読めてしまいます。極端に言えば「買う必要がない」のです。にもかかわらず、なぜこれほど売れたのでしょうか?
文脈(コンテキスト)に価値がある
ただの過去記事の集まりじゃんと思われるかもですが、3年ほど前に書かれていた記事でも今の現状をしっかりと見据えた内容になっており、ブログを運営する上で気を付けるべき点がピンポイントで押さえてあるのかなと。
そして、それぞれの記事に対して今の視点で追記がされているのも魅力の 1つになっています。
via: ツムログ
買って読んでくれた方は、「必要な記事だけをピックアップしてくれている」ところ、つまりキュレーションや編集作業に、価値を見いだしてくれていました。
例えばブログは、個々の記事も大切である一方、ブログ全体の文脈も大切です。つまり、コンテンツ以上に「コンテキスト」が、ブログの魅力を決めています。
今回の電子書籍もブログと同じで、コンテンツだけでなく、キュレーションや編集といった「コンテキスト」の部分を評価してくれたのだと考えています。
魅力ある書籍を作るために
書籍のコンテキストを決めるのは、書籍のタイトルと、まえがき、文章の構成です。今回の電子書籍化にあたっては、この3つを徹底的に考えました。
記事を厳選して、効果的な順番を考えました。キャッチーな書籍タイトルは、多くのアイデアを書き出した上で、言葉を選び、組み合わせを検討して決めました。
まえがきが面白くないと、読者は続きを読んでくれません。読み手を一気に引き込む文章を練り上げました。
文脈がないコンテンツは面白くない
過去記事をコピペしただけだろ?と思われる方もいるかもしれません。確かにコンテンツの部分はコピーです。(しょせんブログ記事なので、実は書籍向けにかなり加筆修正を行ってあります)
しかし、書籍全体のコンテキストは、かなり時間をかけて作り上げています。いくらコンテンツが面白くても、コンテキストが貧弱だと、読んでくれる本にならないです。書きおろしの本でも同じなはずです。
極端にいえば、コンテキストが面白ければ、コンテンツはコピペでも構わないのです。無料だからといって、コンテンツだけ読んでも、コンテキストと合わせた読書体験には敵いません。
立ち読み効果で安心感
電子書籍のデメリットは「立ち読みができない」ことです。冒頭部ぐらいは読めますが、全部は読めません。書店なら全部読むことが可能です。
本を買う時は、ペラペラ読んでから決めたいですよね。どこぞの誰が書いたかわからない電子書籍を、確認なしに購入するのは抵抗があります。
ブログ書籍の場合、ブログで読むことができます。ある意味、全部立ち読みが可能ということです。書店で売っているのとほぼ同じ状態です。
セルフパブリッシングは、出版社といった第三者のチェックが入らないため、よほど信用がある著者が出版しないと「怪しい本」と見られてしまいます。しかし、ブログ書籍なら、事前にコンテンツを確認できるため、安心感につながります。
まずブログから始めよ
だからといって、ブログ記事を書籍化すれば、誰でも売れるというわけではありません。確かに誰でも電子書籍は作れます。しかし、売るというのは難しい。
私と同時期にKindle出版した本はウォッチしています。どの本もまったく売れていないです。出せば良いというわけではないのです。
まずは、多くの人に読んでもらえるようなブログを目指しましょう。ページビューではなくて、リピーターが増えていくように努力しましょう。
ニュース系の記事は鮮度があるため、書籍化には向かないです。5年経っても読めるようなエッセイが良いです。書籍化を意識してブログを運営しましょう。
名もない個人がKindle出版を成功させるには、ブログを頑張るところから始めるしかないというのが、私の結論です。
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