受験勉強は、ただ知識を問うだけでなく、受験までの準備を通じて「自分で考えて行動できる力」を身につけることができます。
目標設定の重要性、論理的思考能力、選択と集中、科学的な知見など。どれも、社会人として不可欠な能力ばかりです。
受験はエッセンシャル思考
受験勉強とは、
- 志望校を決める
- 志望校の過去問といて傾向をつかむ
- 志望校に受かるための勉強をする
が必勝法です。ところが、多くの受験生は「すべての大学に受かる勉強」をしてしまいます。色々手を付けすぎて、結局中途半端になってしまいます。
大学によって、問題の傾向は様々です。目標とする大学は絞り込む。問題の傾向が似ている学校を選ぶ。そうしないと、いくら時間があっても足りません。「より少なく、しかしより良く」です。
勉強をする前に、勉強の仕方を学ぶ
ただ漠然と勉強をしても効率が悪いです。効果的な勉強の仕方は存在します。まずは勉強法の本などを読んで、自分に合った勉強法を学びましょう。
問題は自分で解くのではなく、まず答えを見て内容を理解するといった、短時間で多くの問題をこなせるなどの、有効なノウハウが、受験勉強にはたくさんあります。
マラソンでも、ただ気持ち良く走るよりも、400mのダッシュを10本行う「インターバル」で、大きな負荷をかけることで、心肺と脚を飛躍的に鍛えられ、手っ取り早くレースのタイムが伸びます。
なにごとも、やり方を間違えてしまうと、いくら努力しても前に進めません。
科学的に勉強する
勉強法には、効果が科学的に詳しく検証されているものがあります。
例えば、エビングハウスの忘却曲線によれば、復習はその日のうちにしたほうが効果的なのだそうです。
心理学者のジェンキンス氏の実験によれば、睡眠の前に暗記をする記憶が定着しやすいとのこと。夜の睡眠だけでなく、短時間の昼寝も有効だそうです。
やみくもに勉強を始める前に、脳を効率的に働かせるためのノウハウを知ってから勉強を始めたほうが、効率が違ってきます。時間は限られているのですから、勉強の量だけでなく質を高めていかないと、ライバルに勝てません。
なぜ勉強をするのか?
本書によれば、受験勉強を通して、論理的思考能力や時間管理などの自己管理能力を養えたとありました。受験勉強はそれまでの「やらされ」から「自分でやる」ものに変わります。社会人として必要な「自分で考えて行動できる力」の訓練になるのです。
社会に出たら、色々な問題を自分の力で解決していかなければいけません。大きな仕事になればなるほど「誰も解決したことがない新しい問題」が増えていきます。
とはいえ、新しい問題といっても、まったく新しい解決方法を見つける必要はありません。既存の知識を組み合わせたり、過去の解決方法を少し改良することで解決できるケースが多いのです。
その知識の多くは、小学校からの勉強で学べます。小中高と続く学校で学ぶことは、人類の問題解決の歴史をコンパクトにまとめて効率よく学べるようになっているからです。
過去の人類が生み出した知恵を学び、その上で現在の新しい問題を解決していくのです。
勉強の土台がないと「誰も解決したことがない新しい問題」に、取り組むことは難しいでしょう。
コメント