高校野球といえば甲子園。毎年春と夏に大会が行われ、高校生球児のさわやかなプレーを毎年楽しみにしている方は多いでしょう。私も高校野球ファンです。
砂の栄冠を読みました。野球のテクニックだけでなく、高校野球の戦略論がちりばめられていて、興味深く読みました。作者は「ドラゴン桜」の三田紀房さんです。ドラゴン桜の高校野球版ですね。
甲子園では、ただ野球が上手いだけでは勝ち上がれません。甲子園という場所の特性を良く理解して戦わないと、場の力に飲み込まれてしまいます。
甲子園の高校野球は関西のもの
甲子園球場は兵庫県西宮市にあります。確か大阪の梅田駅から20分くらいです。甲子園大会は関西の人にとっては、身近で安い娯楽の一つになっています。
よって、甲子園球場で観戦しているお客さんのほとんどは、関西の人です。関西の人は地元関西のチームを応援します。その次に西日本の県のチーム。関東などの東日本の学校は、名前が知られた強豪校でないと、関西のファンに認知されないのだそうです。
つまり、東日本の学校が西日本と対戦する際は、完全にアウェイ状態なるということです。東日本の無名校が勝ち上がるには、プレーだけでなく、関西のファンに覚えてもらうということも大切だということです。
会場を味方につける
甲子園の観客は、面白いゲームを期待しています。特に終盤の大逆転は、最高に盛り上がります。2007年夏の佐賀北の逆転満塁ホームランや、2009年夏の日本文理の9回の追い上げは、まだ記憶に新しいです。テレビで観戦していても、球場の熱い熱気が伝わってくるようでした。
甲子園には、観客達が作り出す大きな意思のうねりのようなものが存在します。観客を味方につけることで、相手に大きなプレッシャーを与えることができるのです。
攻守の切り替えや一塁へは常に全力疾走。あいさつは短縮しない。眉毛を細くしない。変な帽子の被り方をしない…。小さなこと積み重ねて甲子園のファンに好印象を与え、全力プレーでファンの心を掴むことが勝利を得るために大切なことだということです。
公立校は21世紀枠を狙う
選手層や練習環境といった面からみても、公立校は私立校よりも甲子園に行きにくいのは事実です。しかし、一つだけ公立校が甲子園に出場しやすい道があります。それが、春の選抜大会の21世紀枠です。
21世紀枠は、秋の大会でベスト8以上(128校以上ならベスト16以上)で、甲子園未出場か30年以上出場していない学校が対象です。そして過去の出場校はすべて公立校だそうです。
秋季大会は強豪校といえど新チームになったばかりで未完成。付け入る余地は夏よりは多いはず。公立校は夏よりも新チームになった秋こそ、勝負をかけるべきです。
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砂の栄冠は、先日浜松で行われた堀江貴文氏の講演会で、堀江氏が紹介していました。もし高校野球の監督になったらという質問に対して、自分なら砂の栄冠を徹底的にパクる(TTP)とおっしゃっていました。
漫画といえど、濃い内容で驚きました。高校野球だけでなく、社会人にも役立つ考え方が多いです。甲子園に出場するには、夏ではなく、春の21世紀枠を狙うという視点は、現実的でした。まだ連載は続いているので、楽しみです。
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